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2006.04.30

訃報

それは昨夜遅くかかってきた一本の電話で知らされた。

「もしもし、XX? 私、誰だかわかる?」

中学時代を一緒に過ごした懐かしい友の声。
クラス会の案内だろうかと思ったその矢先に彼女の口から出てきた言葉は

「Sが亡くなったよ。」

S……それはアタシにとって、非常に複雑な意味を持つ名前。キミはそうやって数年おきにアタシを驚かせるんだね。


クラスの女子で一番背が高かったアタシと、男子で3本の指に入るキミとは、よく席が近くになったんだと思う。はっきりとは覚えていないけど。

中学時代のキミは、授業で当てられるといつもしどろもどろになって、答えられなかったね。先生が言ってたよ。

「Sは授業中、別のことを考えてるんだ。」って。

あの頃から、自分の世界に入ってしまう癖があったのかな。

卒業時のサイン帳に書いてくれた言葉、なんだか難しくてちんぷんかんぷんだったけど、あれは三島由紀夫の本から取ったと後で知りました。それと「かぼちゃワインなんて漫画が流行る時代だから、大きな女(笑)の時代が必ず来る」って。アタシを励ますつもりだったのかな?当時のアタシは「???」だったよ。(笑)


授業を聞いてなくても優秀だったキミは、トップクラスの進学校(男子高)へ。アタシも女子高へ。高校時代は一度も会わなかったし、文化祭に行っても消息不明だったキミ。


そして、また新しい進路を模索している時、アタシというかアタシの家族は、中学のクラスメイトの名前を騙る電話や、無言電話に悩まされてた。

アタシの進学先を探ろうとする「自称クラスメイト」からの電話は、その名乗った名前の子に折り返しかけると、みんながみんな口を揃えて「俺じゃない。」って言ってたっけ。その電話の主は(当時我が家が経営していた)会社にまで電話をしてきて、「アタシの家の場所を教えろ」って言ってきた。もちろん教えなかったけど。(そう、当時の名簿は諸事情により自宅ではなく会社の住所を載せてたから、自宅の場所はわからなかったんだ)


そんな電話も、アタシが大学に入り、家を離れて1年ぐらいで止まり、すっかり忘れかけていた頃、キミはアタシの前に突然現れた。

キャンパスがあった地区のコンビニ。アタシが買い物をしてたら、突然レジの人に名前を呼ばれ、驚いて顔をあげたらキミだった。

「どこに住んでるの?」と聞かれ、驚きと懐かしさでつい答えてしまったアタシ。でもさ、数日後に突然アパートに来て、部屋にあげろだなんて、いくらクラスメイトでも無理だよ(笑)。キミの頭の中では、「突然再会」→「部屋にいく」→「仲良くなる」という構図が出来上がってたのかもしれないけど、人生そんなにはうまくいかない。丁重に断ったアタシに今度は電話攻撃をしてきたのもキミ。最後は「彼氏がいるから困るんだけど」って断ったんだよね。

でも1年たって、今度はキミの友達がアパートに来て、キミと会ってくれって言ってきた。アタシは「前にもそんなこと言われたけど、困る」ということを説明して、お友達もキミを説得するから安心して、と帰って行ったっけ。大学時代にキミの消息を聞いたのはそれが最後だった。


就職して東京に出て忙しく働き始めたアタシに、実家から「また、変な電話がかかってきたよ。」と連絡があったのは、もうすぐ年末を迎える頃だった。

「クラスメイトのK」という架空の名前を名乗って、アタシの連絡先を知りたがった電話。折り返しかけるように伝えてきた電話番号は東京の奥多摩。高校時代の怪しい電話の主が同じ東京にいると思うと、アタシはすごく怖くなった。

結局こっちからかけないでいたら、実家にまた電話が来て、親から断ってもらったんだっけ。まぁ、「本名も名乗れない人には娘のことを教えるわけにはいきません。」って、しごくまっとうなお断り方法でね。「話せば誰だかわかる。だからかけてくれるように言ってください。」って言われても、多分うちだけじゃなくて、他の女の子の家だって同じだったと思うよ。


そんな電話の主の正体がわかったのは、程なくしてキミから届いた年賀状。住所はまさに奥多摩。その時初めて今までの電話や突然の訪問が一つに繋がった。正直言って、あの時アパートの部屋に入れなくてよかったと思ったよ。そして、これからもキミには消息は伏せておこうってね。

年賀状に記されたキミの近況報告、何か変だったよ。キミが働いている会社と仕事先は、奥多摩からはとても遠く、通勤できるとは思えなかった。既にその時からキミは「キミの世界」でお話を作っていたのだろうか?


その次にキミが動いたのは1997年の秋。何ではっきり覚えてるかというと、アタシは体を壊して入院中だったから。病院のベッドに届いた実家からの手紙に、キミから変な手紙が来たと記されてた。後日見舞いに来た母に手紙の現物を見せられたけど、その時既にキミは普通じゃなかったね。

とても他人に送れるような状態ではないクシャクシャの封筒に、ノートの切れっ端を便箋代わりにして、しかも赤いボールペンで書いてきたその手紙には、「会社を辞めて実家に帰ってきた」ことと、「最近はUFOの写真を撮りに行くのが趣味」って書いてあったね。そしてキミが「良く撮れている」と言ったご自慢のUFOの写真も、どうみてもアタシには手ぶれ写真にしか見えなかったけど。

しきりと「会いたい」と書いているその手紙を、アタシは黙殺した。既に「ストーカー」なる言葉が世間に知られるようになっていて、その対処方法も書いてあったので、アタシもその手紙をビニール袋に入れて、日付を書き、実家で保管するように頼んだんだ。


その次は2000年ぐらいだったろうか。久しぶりに行われるクラス会。女子の幹事は今回キミの死を知らせてくれたK。行きたかったけど、やっぱり頭によぎるのはキミのこと。Kとは中学だけでなく、幼稚園の頃から知ってる(親同士もクラスメイトだったからね)から、全て理由を話して、キミから連絡先を探るような電話があっても絶対教えないように頼んでおいたんだよ。

Kは「男子は男子の幹事としか連絡取らないから大丈夫。それより久しぶりなんだから帰っておいで」って言ってくれて、アタシはちょっと不安を抱えながらも出席を承諾した。
でも、開催数日前になってKから「Sが電話してきて、連絡先をしつこく聞いてきた。」と電話があって、アタシは怖くなって欠席することにしたんだ。表向きは「仕事が入った」ってことでね。後日Kから、キミは1次会だけでて、そのまま帰っていったと聞きました。


そして2年ぐらい前かな。最後にキミの名前がアタシの前に現れたのは。

キミはアタシの出身高校の同窓会事務局に人を使って電話してきて、現住所を聞き出そうとしたよね。今回は人を介してではあるけれど、偽名ではなく本名を名乗って。

事務局もそういう電話は慣れているから、実家に連絡をしてきて、教えていいかどうか聞いてきた。答えはもちろんNO。アタシからも事務局に電話して、絶対教えないように頼んだから、キミはさぞかしガッカリしたでしょう。

早い時期から個人情報が漏れるのを恐れたアタシは、中学も高校も大学も卒業名簿の住所は全部実家にして、東京の住所は載せていない。大学時代のようにキミが突然目の前に現れるのが怖かったからね。

だからどうにかして名簿を入手しても、既に知っている実家の住所しかわからないようにしたんだよ。


とはいえ、実家の住所はバレてるわけで、残ってる家族の身の安全も考えたから、地元警察に相談(被害届ではなくね)したこともあった。まぁ、相談レベルでは何をしてくれるわけもなく、ただ話を聞いただけでキミの情報も積極的に聞いてこようとはしなかったけどね。「桶川ストーカー殺人事件」からだいぶ経ってたけど、やっぱり警察ってこういうのに関わりたくないのかなってつくづく感じたよ(笑)。まぁ、最初の行動から20年近く続いてるわけだけど、アタシの話と桶川の話じゃレベルは違うしね。


そして昨夜、久しぶりにキミの名前を聞いた。

最初にキミの死を知ったあるクラスメイトも、新聞の黒枠でキミが亡くなったことを知っただけで、詳しいことは何一つわからないという。ただ、キミが亡くなったことと、今日葬儀があることだけ。

30代の死は早過ぎる。キミに何があったのかわからないけれど、自分の世界に入り込んだまま逝ってしまったんじゃないかと思っているのはアタシだけだろうか。

昨夜は電話を切ったあと、キミの事を考えながら、お通夜がわりに大好きなモルトを飲んでた。いろいろと思い出は蘇るけど実感が沸かなくて、キミがいなくなった悲しみも、追いかけられることから解放される安堵も全くない。気持ちが全然揺れないんだ。電話をかけてきたKも、「これでクラス会に安心して来れるよ」と半分冗談で不謹慎なことを言いつつも、クラスメイトの初めての死にショックを受けていたのに…。アタシって意外と冷たい人間なのかもしれないね。


そういえば、キミとアタシは誕生日が一緒だったっけ。今年からはアタシだけが年を取っていくんだ。いつかあの世で会ったら、キミはいつまでも若いままなんだろうな。


S…… キミの魂、安らかならんことを祈る。

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コメント

悲しいけれどももう大丈夫という感情もある、複雑なお気持ちでしょうか。

「いまはとても会う訳にはいかない彼」が、名誉回復のできないまま逝ってしまったことを、きゃろさんは残念に思っていらっしゃるんでしょうね。

ご冥福をお祈りいたします。

訃報にお悔やみ申し上げます。記事全て読みました。ずっときゃろさんを気持、追いかけていたのでしょうか・。同級生としての思い出・どうか大事になさって下さいね。

>Gucciさん
相変わらず心は揺れないままです。
でも、こうやって考えてしまうこと自体が、彼の術にハマッたような気もします(笑)。

途中から彼は普通の人では無くなっていたので(多分心を病んでいたと推測されます)、私としても、逃げるしかありませんでした。

そんな状態になってしまってからは、名誉回復のチャンスも与えるつもりは無かったと思います。

ただ…一番最初に自分の名前を名乗って電話してくれたら、その後の人生変わってたかも。

私が彼に対してとった態度が良かったのかどうか悩みどころですが、あの時はそうするしかなかったと自分に言い聞かせています。

>ミウさん
長文失礼しました。

かれこれ、最初の他人名義電話があってから20年近くになります。その間ずっと追いかけられてたのかというと、そうでもなく、オリンピックのように数年おきに行動を起こしてくる人だったのです。

だから、私に連絡をとってこない間は、別の人のことを追いかけていたのかもしれません。

今となっては確かめるすべはありませんが…

おはようございます。旧友の訃報さぞびっくりされたことでしょう。お悔やみ申しあげます。
読ませていただきました。
とても複雑だと思います。一歩間違えれば…ですが、それも彼の愛の表現だったのでしょう…。

クラス会今後あるとしたら彼の分まで楽しんでくださいね。

>ゆずさん
コメントありがとうございます。
ほんとに一歩間違えると(既に間違ってるかもしれませんが 笑)ニュース沙汰になってしまったかもしれません。

あるいはそこまで怯えなくても良かったのかもしれませんが…。

どうもお盆にクラス会をやるようです。最後に出席した15年前の時に「もっと痩せてきなさい」と友人に言われたのですが、その時より肥えているので、出席していいものか迷っています(笑)。

こんにちは。コメントありがとうございました。
15年前のクラス会が最後だとか。
大丈夫ですよ。みんなそれなりに年をとっているはずですから!

>ゆずさん
そうですね。15年もたつと、だいぶみんな変わっているのではないかと思います(笑)。

泊まりがけでやるらしいのがネックなのですが、仕事の都合がついたら、ちょっと顔出しに帰省してみるかなぁ…

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